近ごろ、畑からのお野菜がたくさん館内に届くようになりました。
黄色いトウモロコシや、真っ赤なトマト。
色鮮やかなお野菜も、茶色の土から育ちました。
今日は少し季節を巻き戻して、トウモロコシがまだ芽を出した頃のおはなしです。
ある春のとても風の強い日。
その日はメイドの畑にエリスとモモが向かいました。
モモ「とっても風が強いけど、植えたお野菜たち、大丈夫かな……」
到着すると、真っ先に前回植えた畝を確認します。
エリス・モモ「芽が出てるー!」
「トーヤ」ジャガイモとトウモロコシに、立派な芽が出ていました。


エリス「こんなに小さな芽なのに、もうトウモロコシと分かる姿をしているのね。かわいいわ」
モモ「夏が楽しみだなぁ。焼きトウモロコシ、 バターコーン、トウモロコシパン……」
エリス「まずは生で自然のあま~い味を楽しむのがおすすめ、と畑のおじさまが言っていたわよ」
モモ「トウモロコシって生で食べれるんですか!?あぁ、夏が楽しみだなぁ」
今日の主な畑仕事は、葉物野菜の間引き。
既に植えてそだった小松菜、ルッコラ、ラディッシュのうち、
大きく育った株を間引きし、小さな株を大きく、美味しく育てるためです。
エリス「んしょ、んしょ。なんだかもったいない気もするけれど、間引いたお野菜はサラダにしましょっと」
モモ「んぎゃー!風が強くて目が開けられません!」
エリス「目を閉じて、こころで間引く株を感じるのよ!!」
モモ「うおー!感じます!これだあああ!!」
エリス「あら、こんなに育ったラディッシュが!」
モモ「この子は食べごろですね」

今回間引いたお野菜だけでも、こんなに採れました!

エリス「これって、メイドの畑、初の収穫になるのよね」
モモ「わーい!わーい!自分たちでつくったお野菜、うれしいですね!」
エリス「次はトーヤイモのお手入れね。大きな美味しいおイモになるように、茎は2本だけ残して、それ以外は取ってしまいましょ」
モモ「栄養を集中させるためですね!トーヤさん、大きく育ってね」
残した茎に優しく土をかぶせ、次の作業です。
次はエンドウ豆の支柱立て。
竹の枝葉を株の横に立てて、風除けとつるがつかまりやすい柱にします。
エリス「はっ! モモ、このエンドウ豆たち、ぎゅっと手をにぎっているわよ!!?////」
モモ「え? はぁ~、そうですね……」

エリス「このふたり、引き離したくない……丁寧に支える柱を立ててあげましょ////」
モモ(エリスさん、面白いなぁ)
作業の最後は雑草むしり。
エリス「お野菜の栄養を吸い取っちゃう雑草はポイしましょ!」
モモ「これもポイ、あれもポイ。んしょ、んしょ」
エリス「見て、モモ!この子変わってる!」
モモ「なんかトゲトゲが出てますね」

エリス「この子は雑草に分類せず、成長を見守りたい」
モモ「はぁ、そうですね。端っこだし、いいか」
エリス「ミステリアスだわぁ~!どんな子になるのかしら////」
モモ(エリスさん、変わってるなぁ)
今日の畑仕事は、これで終わり。
これから太陽がさんさんと降り注ぐ季節を迎えます。
強い風に負けず、ぐんぐん育ちますように!
……畑仕事は、こつこつと様子を見ながら。
春の後は雨のシーズン。
さてさて、メイドの畑はどんな長雨の季節を迎えるのでしょうか。
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