朝、カーテンを開けると真っ白な光と蝉の声、お家の外壁が日で照り返す匂いで目が覚めます。
お外を歩いているとき近くで蝉の声がするとついつい蝉の姿を探してしまいます。
すっかり夏ですね(ピッ)(冷房をつける音)

ごきげんよう!
オトリーナ改めオトハです
語形変化+語尾追加型のあだ名は新鮮で気に入りました♪
オトリーナの由来について、詳しくは前回のカナタさんの日誌をご覧ください^ ^
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皆さま、『雨月物語』という本をご存知でしょうか?
私のプロフィールにも好きな本の一つとして挙げているのですが、今日はその『雨月物語』の中の私の好きなお話について記したいと思います。
…その前にまず『雨月物語』の何たるかを軽く説明致しましょう。
『雨月物語』とは…
・上田秋成によって書かれた全5巻・9話のエドの時代のお話
・パンダさんで有名な異国のお話を基に、著者がこの国風にアレンジしている
・登場人物おばけになりがち
簡単に説明するとこんな感じの内容の本になります。
この『雨月物語』の巻之一に収録されている「菊花の約」(きっかのちぎり)というお話が大好きでして…。
オトハ的解釈を交えながら「菊花の約」について語りたいなと思います。
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(あらすじ)
丈部左門(はせべさもん)という学者が、ひょんなことから別の街からの旅人、赤穴宗右衛門(あかなそうえもん)という人を病から助けました。
赤穴は心底左門の親切さに感謝しました。
左門と赤穴は互いに心がぴったりと一致し、義兄弟の盟約を結ぶことに。
しかし、赤穴は元の街へ一旦帰らなければなりません。
赤穴「すぐまた帰ってきます。そしたら恩返しをさせてください。遅くとも、この秋を越すことはありませぬ。」
左門「秋と言ってもいつかはっきりとお決めください」
赤穴「9月9日、重陽の佳節(ちょうようのかせつ)に帰ってきましょう。」
左門「この日を間違わないでくださいね。私は一つの菊の花に気持ちだけの粗酒をご用意して待ってますから。」
そうして赤穴は元の街へ帰りました。
そして月日は経ち約束の9月9日になり、左門は菊の花を小瓶に生け、ご馳走を作り赤穴が帰るのを待ちます。
しかし日が落ちても赤穴の姿は見えません。
夜も深まり、月も山の端に入ってしまった頃、左門は諦めて家に入ろうとした時、朧な黒い影の中に人の姿が見えました。赤穴でした。
左門は踊り上がる思いであれやこれやと話しますが、赤穴は袖で口を隠し一向に話す気配がありません。
長いため息をついてやっと口を開きます。
赤穴「本当のことを打ち明けます。私はおばけになってしまったのです。人間の姿を仮て、現れたのです。」
赤穴は元の街に戻り、いざこざに巻き込まれ囚われてしまっていたのです。
囚われたまま約束の9月9日を迎え、約束を果たせないと思った赤穴は、ある言い伝えを思い出しました。『人は1日に千里を行けないが、魂は1日に千里を行ける。』
そうして赤穴はおばけとなって左門に会いにきたのでした。
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これ…これ…BL作品なのでは…??
左門×赤穴、推しcpでございます。
きっと、この二人は出会うべくして出会う運命だったと思うのです。
そして絆が生まれ、深まり、義兄弟にもなり、約束を守るためにおばけになってしまった赤穴さん……うぅ……悲しいお話ではありますが尊い気持ちになってしまいました。
菊の花に約束をかける風情と、その約束を"絶対に守る"という二人の熱さ、人情深さ。
初めてこのお話を読んだ後思わず目頭が熱くなったのを覚えています。
二人はもう一緒に話したり、ご飯を食べたり、笑い合ったり…兄弟のようなことはできないのかと思うと胸が苦しくなってしまいますが、赤穴さんの左門さんへの愛や気持ち、左門さんの"赤穴さんは絶対に帰ってくる"と信じて待ち続けた信じぬく相手への敬愛……深すぎます。
きっと私は来る9月9日、このお話を思い出し菊の花を生け、眺めていることでしょう。
あらすじはかなり省略してしまいましたし(オチまで)、他のお話も怪談チックでヒンヤリできる(?)ようなお話もあるのでこの季節にぴったりな一冊です。
ご興味ある方は是非読んでみて下さいଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭
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さて!今月のお菓子作りの記録は
【メレンゲクッキー】
↓焼成前

↓新調したオーブンにて焼成中


↓焼き上がり


メレンゲクッキーはシュワっと口の中で溶けていく食感がとても好きです。
温かい紅茶やコーヒーに浮かべてみると、水分を吸ったメレンゲクッキーがクシュっと柔らかくなり、また違った食感で楽しめるので皆さまも機会があれば是非お試しください^ ^
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長くなってしまいましたが、ここまでお目通し頂きありがとうございますm(_ _)m
それではまた、ごきげんよう☽⋆
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