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電脳の街アキハバラの片隅でシャッツキステが扉を開いて、12年目を迎えようとしています。

この機会にあらためて当館の紹介をしたいと思い、
いつもはお給仕をしたりお料理を作ったりしているメイドたちの
ふだんはあまり見えない 運営の様子 を綴りました。

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当館には月に一度、休館日があり、その日はメイドたちが集まって会議をおこなっています。
このメイド会議には、
メイド長だけが集まる「メイド長会議」
パーラーメイドたちも参加する「運営会議」
があります。

「メイド長会議」は、メイド長のメインのお仕事である
“勤めているメイドたちがより楽しく働くための環境づくり”や“お給仕で何か思いわずらっていることはないか”
といったことについて話し合うものです。
春、夏、秋、冬 … 各組のメイド長 が集まるため、最大でも4人の少人数編成です。

「運営会議」は、この私設図書館を切り盛りするため、
そしてなにより
”訪れてくださる方に楽しんでもらうため、今後何をすべきか”
について話し合うものです。
こちらはパーラーメイド、メイド長が任意で参加します。

この他にも「花壇」や「キッチン」など、
それぞれのお仕事の内容ごとに話し合うものもあります。


・・・・・・


大きなテーブルに、みんなの分のティーカップが並べられました。
お話のお供にはお紅茶を。

「お茶を淹れて一息ついたら始めましょうかー」

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「では運営会議を始めます。まずは先月の報告から」
「キッチンで困っていることなど、何かありますか?」
「今のところは…あっ、春先に作りたいお菓子があって」
「このあいだ話していたお菓子ですね!おいしそうでした…じゅるり」
「ふふ。春の訪れを感じられるメニューがあったらいいなと思って。でも、これを作るためにはこの道具が必要で…」
「ふむふむ!来週中にイメージをまとめて、そのあと総メイド長に相談ですかねー」

「あ、そうそう。私もやりたいなぁと思っている催しがありまして、こんな感じなのですけれど…」
誰かがわくわくすることを思いついたら、あれもこれも…と、話が続きます。
「わー!楽しそう」
「小物準備、私がやりますよ!」
「メニュー作る時は声かけてくださいねー!」

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ふだんのお給仕ではそれぞれの仕事をしているため、なかなかみんなが一度に顔を合わせることは少なく、休館日はメイドたちにとって、とても貴重な話し合いの日です。
それぞれのやる事が決まったら、次回の話し合いに向けて、各々の仕事を始めます。




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メイドたちの特性でわけられた各組でのお仕事の他に、それぞれメイドが得意なこと、やりたいことで係を担うことがあります。

たとえば花壇係。

当館の入り口には、訪れてくださった方に折々の季節を伝える小さな花壇があります。
この花壇をおもにお手入れしているのが、花壇係です。

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花壇係のユキトが、丁寧にお花の状態を確認しています。


それぞれの係を担当するメイドは代わることもあります。

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前任のアイリが気にかけて様子を見にやってきました。

「わぁ!アロマティカスがこんなに育つなんて」
「ね。すごい育ちました!アイリさんがたくさんお世話してくれていたからです」
「ミントもこんな風に育つといいなぁ〜」
「頑張ってお世話しますねっ」


「そうそう、見てください。新しいお花が育ったので摘み取ったんです。」
「パンジー…?」
「レースパンジーです。花びらがひらひらフリルみたいなんです。」
「か、可愛いっ…!!」
 
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「ミントは強い子なのですぐに育ちそう。育ったら何に使いましょうか。」
「いつもはお菓子の上にちょこんと乗せていますよね。他の使い方もありますかね〜」
「ミソノさん、何か参考になりそうな本はありますか?」
「たしかハーブの本が、あ、ほらここに。フレッシュなミントだとそのまま使うのがいいかもですねー。あっ煮出してガーデニングの虫除け液をつくることもできるみたいですよー。」
 
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メイドの係は「花壇係」のほかに
「新聞係」
「お仕事で使う品物を注文する係」
「お知らせする文章を確認する係」
など、その時の運営の規模に合わせて様々あります。

この私設図書館を維持するうえで大切なお仕事を、係のメイドたちが少しずつ目を行き渡らせて滞りがないように取り組んでいます。

けれど大切なことは、
「メイド長だから」
「係の仕事をしているから」
といって特別視されたり負担を背負い過ぎたりしないように、メイドそれぞれが得意な分野で、無理のない範囲でお仕事を担当することです。
時には違う係のメイドから意見をもらったり、相談をすることも。

訪れて下さる方に、今よりさらに快適に過ごしていただける空間をつくれるよう、日々相談しながら、メイドたちで運営をおこなっています。




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本の整理は、私設図書館としての大事なおしごとです。
司書メイドに指示を仰ぎながら、すすめます。

「この本はもう表紙を張り替えないといけませんね…。自分たちでやってみたいけれど…」
「できますよー。張り替える用紙を選ぶこともできるんですよー」
 
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「司書によって、本の揃え方に個性が見えるんですよー」
「ほ〜」
「たとえば、背表紙をきっちり前に揃える方や、奥の方にきちんとしまう方など」

「本棚の整え方にいろいろ好みがありまして。私はこうやって背表紙を整える派です」
 
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「高い所は台に乗って……ですが、今日は背の高いイチちゃんがいるので頼みましょうかねー」

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「あ!この本を読んだことはありますか?とーっても幸せな気持ちになれる本なんですよー!」
「私も小さいころ大好きでした!」「ちゃんと読んだことはないです…!」
「このページのふたりがですねー・・・

・・・・・・

「はっ、いけない、整理している時って気づくと本を読みふけってしまいますね」
 
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「アイロンかけたてのエプロンをすると、気持ちがぴっとひきしまりますよね」
「リボンもきれいに結べて楽しいです」
「あ、このエプロン、レースが破けてしまっています…」
「そろそろ新調しないとですかね」
「お買い物リストに書き加えておきましょう」
「新しい物が届くまで繕っておきましょうかー」

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日々運営をしていると用立てたいものがちらほら出てきます。

毎日のささやかなものは「お仕事で使う品物を注文する係」が揃えてくれますが
大きな物が必要な場合は、お買い物リストに書きためて、計画的にすすめます。

そして、できることは自分たちでと、繕いものの針を持ったり、時には金槌やノコギリの出番も…⁈
時間のあるときを見計らって、ほころびを繕います。
 
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大きなお買い物の順番を決めるのは総メイド長のお仕事。

おいしいお料理を作るためのキッチン、館内を明るくする灯りの修繕、そしてメイドたちのお給金も。
先々の出費予定をたて、みんなが作ってくれたリストを見て、実行するタイミングを検討するのです。
悩ましくも、喜ぶみんなの顔を思い浮かべながら、総メイド長は日々、リストと向き合っています。




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メイドたちのひそかな楽しみ
それは 訪れて下さった方からの感想のお手紙や、足跡帳を見ること。
 
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お料理に添えてあるペーパーに書かれたものだったり、お皿に残されたメッセージだったり、遠方からのお手紙だったり。
「こんなお言葉をいただいたの!」
メイドみんなで、メッセージやご意見を共有します。
頂いたものは保管しておいて、皆んなで眺めると…また頑張ろうという気持ちがわいてくるのです。




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そんな日々を送るメイドたちの願いは

いつか ここが 訪れたかたにとっての 宝箱(シャッツキステ) となりますように」。

時にはまだ見ぬ何かにワクワクするような
時には大事な想い出をしまう場所としての

宝箱に。

そんな願いを胸に


今日も街の片隅で、
扉が開かれるのを待っています。