急に寒くなりましたが、みなさんお風邪など引かれてませんか?
ごきげんよう、シャッツキステの鉄砲玉ことカナタです。 
 (詳細はこちらのライゼさんの日誌。正直お読みいただいたところで詳細は何もわからないのですが、笑えること間違いなしです。)
kanata

あっという間に今年も10月。 
実は10月は私にとって、1年のなかでも特に思い入れの強い月です。
なぜかというと、妖怪博士になるための試験が毎年10月に開催されているからなんです! 
妖怪好きの中には毎年10月前後は勉強漬け、という方も多いのではないでしょうか。
正式名称は「境港妖怪検定」で初級〜上級の3つの級があり、合格すると妖怪博士の証書と博士ピンバッジをゲットできます。
ちなみに中級の合格率は平均12%ほど 、上級になると毎年1人合格するかしないかという、なかなか難易度の高い検定です。
(各地の認知度を高めたり楽しんでもらう為の「ご当地検定」として設定されているにも関わらずハードルがかなり高い点でも個性が強くておもしろいと思っています。)

カナタは既に中級博士に合格していて、毎年少しずつ勉強を続けていたので今年の上級試験を受ける予定だったのですが、この状況下で試験もなくなってしまいました……。
残念ですが、勉強する時間が増えたと思い前向きに頑張ろうと思っています!
来年には受験できるといいなぁ。 みなさんも一緒にどうですか?

さてそんな「妖怪」について、一体何が魅力なのかみなさんにお話したことがあまりない気がしまして、改めてこの場を借りてご紹介させていただきたいと思います。

「妖怪」と聞くと浮かぶものは人それぞれだと思います。
一反木綿・ぬらりひょんなど具体的な妖怪名が浮かぶ方、水木しげる先生や妖怪ウォッチのように作品・作家が浮かぶ方……。
どんな方にも共通しているのは「不気味・怖い」というイメージであることが多いと思います。(例えそれがポジティブな受け取られ方をしていたとしても。)

ですが!実際の妖怪には、特に危害を加えず「ただ居るだけ」という子も多いのです。
例えば有名な小豆洗いなんかも、不気味な顔の小さな生き物が歌を歌いながら橋の下で小豆を洗っているだけ、なのです。例えば小豆洗いを見ると死ぬとか、小豆洗いの小豆に触れると死ぬとか、そういった恐ろしいことは無いのです。
夜になれば当時は電灯などもありませんから真っ暗な中、川辺の砂利と夜の生き物が音を出して不気味だったのかもしれません。正体がわからないと怖いですから、何か名前と姿を与えて安心できるようにしたのかも。
そう考えると妖怪は生活の中で人々が生み出したアイデアの一つとも捉えられますし、
むしろかつては本当に存在していて、今では名前や姿だけが残っているとも考えられます。

どちらにしても、そこから浮かぶのは当時の暮らしです。
 かつてそこにあった川や山、どんな人たちがいてどんな音がして、どんな文化があったのか。
当時の市井の家にどんな道具があって、何が無かったのか。
言うなれば妖怪は人々の生活の痕跡です。
それがわかることが、妖怪の一番の魅力だと思っています。
 
歴史というのは常に何かの痕跡で、私たちにはどんなに焦がれても当時の小豆洗いを見ることはできませんし、小豆洗いという名前や語りが生まれた当時を体感することはできません。
でも、確かに当時何かがあったこと、そこに人々が生活していたり、集まっていたという事実だけでも、なんだか尊いなと思ってしまうのです。

私たちの今の暮らしも、いつか歴史になってしまいます。
100年後ぐらいには、当時は水道というものがあってね、なーんて話もされているかも。
近頃「すべて過去になる、歴史になる」ということを考えたときに、シャッツキステが「場所」として存在していて本当に良かったなと思いました。
もちろん、それだけが価値の全てではありません。でも多くの旅人さまが訪れて、扉を開けて床を踏んで本を触って椅子に腰掛け、メイドたちとたくさんのお話をしたこと、すべてが物理的に存在していたことによって、手触りのある歴史となってみなさまの中で生き続けていく礎になるのではないかと、そんな気がしました。

はあ〜思わず壮大な話をしてしまいました!
しんみりしがちな10月ですが、秋の味覚が美味しい季節でもあります!
たくさん食べてたくさん笑ってたくさん眠って、 あたたかくしてお過ごしください。
すべての旅人さま、そしてメイドたちが今まで通り元気いっぱいで11月を迎えられますように。

それではそろそろ眠ろうと思います。
旅人さまも、早めにおやすみくださいね。
ホットミルクにはお砂糖を入れる派のカナタでした。