わー……。

わわーい……。

日誌の残りのページも少なくなって参りましたね。
ほんとに今日まで、好き放題無茶苦茶に書きたいことをたくさん書かせていただきました。
残りページが少ないということはですよ、つまり。
とうとう、数カ月前の私から託されたお題に数カ月後である今の私が答える日が来たのです。








raize


さて皆さま、大いなる挽夏をいかがお過ごしでしょうか?
今日は数カ月前にちらっとお話しした『不老不死の実現と実証』について書きたいと思います。
いま真っ白なページに向かいながら「数カ月前の私なにしてくれてるんですか」と私も思っていますのでできれば皆さまも頑張ってついてきてください。レッツゴー!!



『不老不死の実現と実証』とは、なんとも重苦しいタイトルですがなんてことはありません。要するにこれは、記憶力の問題なんです。

・不老不死の実現
老いていき、そしていずれ眠りにつく。どちらも産まれた瞬間から始まる避けられない現実ですね。これをまずどう受け止めるかが課題になってきます。
私が己の老い、ひいては生命力の欠落を自覚するのは、やはり記憶が失われたと実感する時です。
肉体の限界と記憶力は密接に関わると私は考えます。記憶はその人の安全を保障します。この前やけどしたから今日はめんどくさがらず冷ましてから飲もう、と学習を重ねて人は日々の脅威に立ち向かいます。
つまりですね!これを応用しますと……。
誰かがずっとその人のことを忘れずに覚え続けていれば、その人の生命は誰かの中で半永久的に維持されてる、とも考えられる訳です。
たとえ私がどうにかなってしまっても、私のことを誰かが覚え続けてくださればその人の心の中に『ライゼ』は生き続けていることになります。同じことを皆さまに対しても私は、思うのです。
そしてですね!
人間の恐ろしい所は、忘れたはずなのに記憶がふと蘇る瞬間が意外と結構あることです。
私は常日頃、自分の習性や癖はどこからやってきたものなんだろう?と哲学します。
(とか書くと哲学の人に笑われそうなんですが……)
それらのだいたいはやはり、父母や兄弟、友達や環境、見聞きし触れて学んだものに依存しており、忘れたはずなのに思いがけないタイミングでよぎったりなんかして、その都度もう会えない人たちに優しくしてもらえたこと、
楽しく話したこと、
たくさん遊んだこと、
さみしい時や辛い時に心の支えになってくれてたことを実感します。
不老不死の実現は、覚え続けることで実現されるはずです。これには思い出の量は関係ありません。
思い出の質というか、感情を伴って鮮明に脳に刻み込まれたかがとても重要だと私は思います。


・不老不死の実証
上記を元にして導き出される結論として、私がシャッツキステでの日々や出来事を忘れなければ、館内や日誌上で出会った皆さまは私の中でほぼ永久に不老不死ということになります。
この日誌を読んでくださってる方々、過ぎ行く季節をさみしがったり悲しんだりしないでください。
私がなるべくあなたのことをたくさん覚えておくので、私の中ではみんな不老不死です。だから本当に大丈夫です。私に約束させてください。
以前の日誌で、忘却曲線という言葉についてお話したことがあったかと思います。
忘れつつある時間経過のタイミングで、忘れたくないことをもう一度反芻すれば記憶は再度定着する。
シャッツキステの日々を忘れないように私はこれから毎日、魚を食べて適度に運動して夜はしっかり眠るようにします。
私はシャッツキステの日々のことを忘れたりしません。
不老不死の実証は、私が忘れないことで実証できるといっても過言ではないでしょう。
これでもう皆さまの不老不死と実現と実証は可能なんです。重厚なタイトルの割に簡単だと思いませんか?

同時に、不老不死が約束された皆さまにお願いがあります。
余計なお世話かもしれないのですが……。
いつの間にか忘れていくことや新しいことに夢中になることを、さみしいことだと絶対に思わないでいただきたいです。
人が何故記憶を失っていくのかというと、たぶん全部覚えておくと脳が容量を超えてしまってバグっちゃうからだと思うんですね。
私も楽しく日々を過ごしますから、皆さまにもそうであってほしいです。
大好きな人たちやそうでもない人たちと健やかに日々を過ごし、おいしいものを食べて、よく眠りよく笑う今と変わらぬそのままの旅人様でい続けてください。
私がそうするように、あなたにもそうであってほしいです。なお、無理に元気でいる必要はありません。そのままのあなたで全部大丈夫ですから。
そのまますべてでオールオッケーなんです、ほんとにそう願います。



数カ月前の私が言いたかったことはたぶんこんな感じのことだと思います。
今の私が一言付け加えても大丈夫なら、私のことは忘れてしまっても大丈夫です。
とか書くと「そんなことないよ!ライゼさんのことずっと一生覚えてるよ!」といった感じの拍手喝采を待ち侘びちゃってる風仕立てになってしまうんですが、これも結局ほんとに本心です。
忘れちゃってください。
私は今日までの日々も、あとちょっと残ってる数カ月も、おもしろおかしく笑いながら、楽しく過ごせる自信があるので大丈夫です。
いままで私たち、すごく楽しかったですね。
私設図書館がなかったらこうしてお話しすることもなかったかもしれない未知数の私たちが、今は季節の移ろいに心情を重ねてるんですから。
涼しすぎず暑すぎもせず、凍てつく冬も和やかな春もまだ遠い。
それでいて夏は過ぎ去ったばかりで、もう引き返せない。
なのに別にそれがさみしくも悲しくもなくて、ただひっそりと虫の鳴き声と共に、やんわり深まる秋。
思い出を振り返るにはすばらしい秋の夜風ですよ、皆さま。
さつさつと吹き抜けて、嬉しくなりますね。

時に、食欲の秋と申しますが皆さまはこの世で一番うまいものが何かご存知でしょうか?
私はこれには、好きな作品から引用して答えております。
悩みぬいて躊躇しながら、それでもこれしかないと導き出した答えにはその人の魂が宿る。

ということでこの世で一番うまいものは『人の心』です。
数カ月前の無茶ぶりから始まる悩みながら書きあげた日誌も、たまにはあっていいのかなと思います。
上記のクイズは私のはじめてのメイド夜話で取り上げた作品からの出題でした!
皆さまも食欲の秋にお勧めなうまいものを教えてくださいませ。
それではでは、また館内でお話ししましょう。